被写界深度は、ピントを合わせた位置の前後で、ピントが合っているように見える範囲です。F値が小さい、焦点距離が長い、被写体に近い、(同じ写る範囲なら)センサーが大きいほど浅く(狭く)なり、背景がぼけます。逆にすると深く(広く)なり、手前から奥までシャープに写ります。範囲はピント位置の手前より奥のほうが広くなるのがふつうです。
被写界深度のイメージ
厳密にピントが合っているのは1つの距離だけです。その前後でも、ぼけ方が小さければ人の目にはピントが合っているように見えます。この「どこまでのボケを許すか」の大きさを許容錯乱円と呼びます。許容錯乱円の値は見る大きさや距離によって変わるため、被写界深度の数値は目安として考えます。
被写界深度を決める4つの要素
| 要素 | 浅くなる(ぼける) | 深くなる(シャープ) |
|---|---|---|
| F値 | 小さく(開ける) | 大きく(絞る) |
| 焦点距離 | 長く(望遠) | 短く(広角) |
| 被写体までの距離 | 近く | 遠く |
| センサーの大きさ(同じ写る範囲のとき) | 大きい | 小さい |
具体的な範囲は被写界深度の計算で求められます。たとえば35mmフルサイズ・50mm・F2.8で3m先にピントを合わせると、許容錯乱円を約0.029mmとした場合、ピントが合って見える範囲は約2.74m〜約3.32mです。
浅くしたいとき・深くしたいとき
浅くしたい(背景をぼかす)
- F値を小さくする
- 望遠側で撮る
- 被写体に近づき、背景から被写体を離す
深くしたい(全体をシャープに)
- F8〜F11くらいまで絞る
- 広角側で撮る
- ピント位置を少し奥に置く(過焦点距離を使う)
過焦点距離(パンフォーカス)
過焦点距離にピントを合わせると、その距離の約半分から無限遠までがピントの合って見える範囲に入ります。風景やスナップで「手前から遠くまでピントが合っている写真(パンフォーカス)」にしたいときの考え方です。過焦点距離も被写界深度の計算で表示されます。
マクロ撮影のようにごく近くを撮るときは、被写界深度が数mm程度まで浅くなることがあります。花や小物は少し絞ったり、ピントの位置を変えて何枚も撮って合成したりします(フォーカスブラケット)。