「明るいレンズ」は、開放F値(そのレンズでいちばん小さくできるF値)が小さいレンズのことです。たとえばF1.4のレンズはF4のレンズより3段(8倍)多くの光を取り込めるので、暗い場所でも速いシャッタースピードや低いISO感度で撮れ、背景も大きくぼかせます。代わりに、大きく・重く・高くなりやすく、ピントの合う範囲がとても狭い点に注意します。
明るさの差は「段」で比べる
| 比べるF値 | 差 | 光の量 |
|---|---|---|
| F1.4 と F2 | 1段 | 2倍 |
| F1.8 と F3.5 | 約1.9段 | 約3.8倍 |
| F2.8 と F5.6 | 2段 | 4倍 |
| F1.4 と F4 | 約3段 | 約8.2倍 |
差は「2 × log₂(暗いほうのF値 ÷ 明るいほうのF値)」で計算できます(F値の段数の差の計算)。光の量が多いぶん、同じ明るさに写すためのシャッタースピードを速く、またはISO感度を低くできます。
明るいレンズのメリット
- 暗い室内・夜でもブレにくい:シャッタースピードを速くできます。
- ノイズを抑えられる:ISO感度を上げずに済みます(ISO感度)。
- 背景を大きくぼかせる:人物や花を浮き立たせられます(ボケの大きさは何で決まる?)。
- ファインダーが明るく、AFに有利なことがある:一眼レフの光学ファインダーは開放F値が小さいほど明るく見えます。
注意点
- 大きく・重く・高くなりやすい:同じ焦点距離でF値を小さくするには、レンズの直径(口径)を大きくする必要があります(大口径レンズは重い?)。
- ピントが浅い:開放では目と鼻でピントの位置が変わるほど浅くなることがあります。被写体認識AFや、少し絞ることで対応します。
- 開放の写りに個性がある:四隅が暗くなる、輪郭に色のにじみが出るなど、レンズによって特徴があります(色収差・周辺減光)。
明るいレンズを手軽に試すなら、50mm前後のF1.8クラスの単焦点レンズは比較的小さく、価格も抑えめなことが多い選択肢です(最初の単焦点レンズは何mmがいい?)。