マクロレンズは、小さなものにぐっと近づいて、大きく写すために作られたレンズです。多くのマクロレンズは撮影倍率が等倍(1:1、1.0倍)で、被写体をセンサー上に実物と同じ大きさで写せます。たとえば35mmフルサイズで等倍なら、約36×24mmの範囲が画面いっぱいに写ります。普通のレンズの多くは最大撮影倍率が0.1〜0.3倍程度で、そこまで大きくは写せません。
撮影倍率とは
撮影倍率は「センサーに写る像の大きさ ÷ 実物の大きさ」です。1.0倍(1:1)なら実物大、0.5倍(1:2)なら半分の大きさで写ります。画面に写る範囲は「センサーの大きさ ÷ 撮影倍率」なので、フルサイズで0.5倍なら約72×48mmの範囲です。最大撮影倍率は、レンズの仕様表に載っています。
普通のレンズの最大撮影倍率は機種によって大きく違います。上の「0.1〜0.3倍程度」は一般的な幅の目安で、お使いのレンズの値は仕様表で確かめてください。
マクロレンズの焦点距離の違い
| 焦点距離(フルサイズ) | 特徴 |
|---|---|
| 50〜60mm前後 | 小さく軽い。物撮りや料理、ふだんのスナップにも使いやすい。等倍では被写体にかなり近づく |
| 90〜105mm前後 | 被写体から少し離れて撮れる。花や虫、人物にも使える |
| 150〜200mm前後 | 離れて撮れるので、逃げやすい虫などに向く。大きく重い |
レンズの先端から被写体までの距離(ワーキングディスタンス)が短いと、レンズの影が被写体に落ちたり、虫が逃げたりしやすくなります(最短撮影距離と作動距離)。
マクロ撮影のコツ
- 被写界深度がとても浅い:ピントが合う範囲が数mmになることもあります。少し絞るか、フォーカスブラケットで合成します(フォーカスブラケット)。
- ピントは体の前後で合わせる:MFで大まかに決め、体やカメラを前後に動かして合わせる方法もあります(マニュアルフォーカス)。
- ブレに注意:大きく写すほどわずかな揺れも目立ちます。三脚や速いシャッタースピードを使います。
- 光を確保する:近づくとレンズの影が落ちやすいので、明るい場所やライトを使います。
マクロレンズがなくても、クローズアップレンズ(レンズの前に付けるフィルター型のレンズ)や、トリミングで大きく見せる方法があります(虫や小さなものを大きく撮るには?)。